SIDE3「泣けば青空」
265 名前:背徳紳士[] 投稿日:2006/07/27(木) 21:07:54 ID:/YG39yxa
サイド・オブ・オフレンジャー
「泣けば青空」
「一人でいるの楽しい?」
そう言うと彼女は僕の横に座った・・・
「君は一人のときがいやなの?」
下を俯き苦笑いしながら彼女は
「だって・・・一人で見つけられ無い物や音っていっぱい有るでしょ?
だから沢山の人とソレを探すの」
・・・・彼女は今日も僕の隣に居た
病院にて
医師「経過は・・・・・・芳しくないな」
看護師「今日で投薬4日目です・・内臓などへの負担が懸念されますが・・」
医師「・・・・よし・・・・彼を呼んでくれ・・」
看護師「彼をですか?」
医師「あぁ・・」
二時間後病院に一台の軽自動車が乗り付けてきた
スーツの男「今回の患者さんはこのお嬢さんで?」
医師「あぁ・・・・入院したのは7日前なんだが治療に行き詰まってしまって」
スーツの男「先生ともあろう方が・・・では私どもに・・ということで?」
266 名前:背徳紳士[] 投稿日:2006/07/27(木) 21:22:02 ID:/YG39yxa
彼女は今ICU(集中治療室)で戦っていた
「何で今になって又・・・・くっ・・・」
彼女は小児性癌で過去に幾度と無く苦痛を耐え生きて来た
数年前「奇跡的な完治」と言われ、今を強く生きていた・・・生きて来た
医師「彼女に新たに発生した癌は外科的な手術ではもう取り除けません」
「なぜですか!!?今まで先生は彼女を助けてくれたじゃないですか!!」
医師「今の彼女の癌は独自の進化で私たちの今の治療では助かりません・・」
「そ、そんな・・・」
267 名前:背徳紳士[] 投稿日:2006/07/27(木) 21:28:49 ID:/YG39yxa
彼は彼女をICUのガラス越しに眺めていた・・・
「君なら勝てるよ、君は負けないよ・・・だから・・・だから又僕の・・僕の隣に居てくれよ!!」
彼は崩れ落ちるかのように病院の廊下にうずくまった
ナース室奥から看護師たちの声が聞こえる・・・
看護師1「あの子・・・もう長くないわねぇ」
看護師2「・・・っし!!・・そんなこと言ったら彼に聞こえるわよ!!」
看護師1「あら・・あの男の子も本当は知ってるのよ・・・」
看護師2「あんた・・・冷めてるわね・・」
看護師1「人の死ってなれるものよ・・・」
看護師はナース室から見える外の夜景を只眺めていた・・
268 名前:背徳紳士[] 投稿日:2006/07/27(木) 21:34:14 ID:/YG39yxa
スーツの男「娘さんは持って後2ヶ月ですね・・・・
素人の私から見てもわかりますよ・・」
彼女の父「わかっています・・・でも貴方達なら娘を助けられるのでしょ?」
スーツの男「ハイ」
男はおもむろに一つの写真を彼女の父に見せた
彼女の父「こ・・・これは!!」
スーツの男「そうです・・・貴方が昔働いていた場所ですよ」
彼女の父「なぜ貴方がこの写真を・・・まさか!!」
スーツの男「そうですよ貴方と私はあの・・・・」
270 名前:背徳紳士[] 投稿日:2006/07/27(木) 21:52:46 ID:/YG39yxa
スーツの男と彼女の父の会話の30分前
彼は今日も彼女の病室の前に来ていた・・・
「今日こそは彼女に目を覚ましてもらわなくちゃ・・・
クラスの奴等と作った寄せ書きやetc・・・」
医師の許可を得て部屋に入ろうとしたとき寄せ書きが床に落ちた
ドアの前でスーツの男たちの会話を聞いてしまう彼
「2ヶ月?、貴方達なら?写真?」
彼は部屋に駆け込んだ
「どう言う事です?僕にも教えてください!!」
彼女の父「君か・・・君にか関係ないことだ・・・さぁ・・今は大人同士の会話だ君は
廊下で待っていてくれ」
彼女の父が発言した後スーツの男がこう発言した
スーツの男「お父さん・・・因果律ってご存知ですか?」
彼女の父「因果律・・・・あぁ・・知ってい・・・ま・・まさか!!」
スーツの男「そうです・・我々は因果律をも操れるのですよ・・・」
「そんな分けの解らないことは良いです・・・彼女は助かるんですか!?」
スーツの男「君が私たちに協力すれば必ず助かりますよ」
彼女の父「彼はまだ子供だまだ・・・」
スーツの男「おや?・・いまさら奇麗事ですか?お・と・う・さん」
彼女の父「っぐ・・・す・・すまん・・・○○くん・・・」
彼女は今日も生きている
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